Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第31章 俺達のDIYライフ
「で? 結局、箱は開けてみたものの、組み立て方が分からない…ってこと?」
床一面に広げたパーツを、冷ややか〜な目で見下ろす潤に、俺は無言で頷いてみせた。
「で? コイツと睨めっこしてたら時間忘れて、飯の支度も忘れた…ってこと?」
はっ…、しまった!
普段から食には全く執着しない俺だから、飯のことなんて全然頭になくて…
「…ごめん…」
でも疲れて帰って来た潤のことを考えると、俺も項垂れるしかなくて…
「すぐ何か作るから…」
散らかったパーツを隅に寄せ集めてから、キッチンに立った。
米を研いで炊飯器にセットする。
潤は米の炊き方にも煩いから、普段なら少し時間をおいてから“炊飯”のボタンを押すんだけど、今日は仕方ない。
「米、すぐ炊けるから、ちょっと待ってて?」
言いながら冷蔵庫のドアを開ける…けど…
冷蔵庫の中には、潤がお取り寄せした、一目見ただけじゃ用途の分からない食材が並んでいて…
「ごめん…、これどうやって使うの?」
俺は考えあぐねた結果、着替えを済ませて一息つく潤に助けを求めた。
でも潤は特に苛立った様子も見せず、俺の隣りに立つと、冷蔵庫から取り出した肉の塊をまな板の上に載せた。
そして横目で俺をチラッと見て、
「飯食ったら、俺も手伝ってやるから」
そう言って、俺のほっぺたに一つキスをした。