Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第30章 僕達の貯金箱
もう一度キスをして、智の柔らかな髪を撫でてやる。
すると智は俺の膝の上で身体の向きを変えて、俺の首に両腕を回した。
「分かった。翔くんがそう言うなら…。その代わりね…」
「…うん…」
さっきまで真剣そのものだった智の顔が、ポッと赤く染まる。
やっべ…、やな予感しかしねぇわ…
「あのね、練習…しない?」
「れ、練習…とは…?」
「だ〜か〜ら〜、僕がママになるとしたら、翔くんはパパになるわけでしょ?」
このままの関係が続けば、それは…当然そうなるだろうな…
俺、智と別れるつもりはないし…
「だからね、僕を赤ちゃんだと思って?」
「は、はい?」
それは所謂何か?
赤ちゃんプレイ…ってことなの…か?
「い、いや、ちょっと待て、智…。いくら何でも…」
なんて言ってる間もなく、智は俺の腕の中で身体を小さく丸め、親指をパクッとくわえた。
嘘だろ、マジか…
いや、可愛いよ?
可愛いけどさ…
なんかヤバくないか?
「バブ…」
いやいや、バブじゃなくてさ…
「パ〜パ〜、ちゅーちて?」
ハ、ハハハ…、こりゃマジだわ…
だったら俺も…(⟵据え膳は遠慮なく頂く主義です)
俺はバブー智を抱き上げると、寝室へと運んだ。