Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第30章 僕達の貯金箱
そっか…、智なりに将来のことを考えてくれていたんだな…
そう思ったら、いつも以上に智が愛おしく思えて…
「分かった。俺も協力する」
ビールのサイズダウンがなんだ!
ニラや玉子が入ってなくたって、もやし炒めはもやし炒めじゃないか!
「ほんと? ほんとに?」
「おう! だって俺達の将来のためだもんな? だったら俺だって協力しないとな?」
「やったぁ♪ じゃあ僕も頑張るね♡」
うんうん、頑張ろうな、二人で…
「あ、でね、僕色々考えたんだけどね?」
「何を?」
俺は智を背中からギューっと抱きしめ、ほんのり油の匂いのする首筋に鼻を埋めた。
「ほら、僕達って男の子じゃん?」
それはさっきも聞いたけど?
「だからさ、いっくら翔くんが頑張ってエッチしたところで、僕は赤ちゃん作れないじゃん?」
ま、まあ…、そうだよ…な…
普通に男同士のカップルで、普通にセックスして、普通に妊娠…なんて話、聞いたことねぇし…
それこそワイドショーモンだよ(笑)
「だからね、赤ちゃんを貰おうと思ってさ♪」
赤ちゃんを…貰う…?
「あ、あのさ、智? 俺、イマイチ意味が分かんねぇんだけど…」
あまりに突飛なことを言い出す智に、俺は首を傾げた。