Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第30章 僕達の貯金箱
生活に十分な金は渡してある筈。
いや、他所の家庭よりも寧ろ多いくらいだ(⟵翔調べ)
だから“足りない”ってことは考えられない。
となると、これはやっばり智得意(…なのか?)の節約ってやつだよな…
で、残った金は、恐らく玄関で鎮座していた、あの“青ざめたクマ”の腹を満たすためのエサってことか?
“青ざめたクマ”の腹が満たされて、俺の腹が満たされない、なんてことがあって良いんだろうか…
いやいや、それは良くないだろ…
ここは一発ビシッと…
と思ったが、今は辞めておこう。
智のことだから、
「もうご飯食べなくていいから」
って、なるのがオチだ。
それに智だって、意味もなく節約するわけじゃないだろうし…
一応は理由を聞いてやらないと…
「翔くん、美味しくない?」
「えっ、あ、うん…、美味いよ」
「良かったぁ♪ あのね、このもやしね、いつものより高いのにしてみたの」
「そ、そうなん…だ…? アハ…アハハ…、道理で美味い筈だ…」
「でっしょ〜ぉ♪」
つか、ビールのサイズダウンして、ニラも玉子もケチって…、なのにもやしはランクアップ…
それって意味あんのか?
やっぱ智の考えてること、良く分かんねぇ…(笑)