Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第27章 俺達のバレンタイン狂騒曲
結局答えなんて出ないまま時間は過ぎ…
潤からの帰るコールで我に返った俺は、大急ぎで夕飯の準備に取り掛かった。
あんまり料理は得意な方じゃないけど、早く帰った方が夕飯の支度をするってのは、潤と暮らし始めた時に決めたルールだから仕方ない。
ほんとはさ、もっと料理が得意だったら、バレンタイン用に特別な料理とか用意出来るんだろうけど、生憎そこまでの技は持ってないからさ…
それでもせめてもと思って、俺は冷蔵庫に残っていた材料を使って、特製オムライスとスープを作った。
って言っても、スープはインスタントだけどね?
でもなんか味気ないんだよな…
「あ、そうだ…」
冷蔵庫に一度は仕舞ったケチャップを取り出し、潤の分のオムライスの上に、ケチャップでハートを描いた。
ちょっと歪な形になったけど、何もないよりはうんとマシかも。
出来上がったオムライスとスープをテーブルに並べ、潤の帰りを待つ。
店からは車でも15分とかからない距離だから、もうそろそろ帰って来る筈。
例のチョコレートは、俺の隣の席…愛用のリュックの中に隠してあるから、後はタイミングを見計らって渡すだけ…なんだけど、そのタイミングって、一体いつなんだろう?
なんて言って渡したらいいのかも分かんないし…、一緒に暮らしてると、色々考えることご多過ぎる。
はあ…、バレンタインって、案外面倒くさいのね?
そんなことを思っていると、玄関のドアがパタンと閉まり、潤がリビングのドアから顔を出した。