Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第26章 僕・俺達のバレンタイン協奏曲
和也side
智に渡された物を手に、俺はバスルームに入った。
多分…だけど、智の言う通り、潤は喜んでくれると思う。
でもなぁ…、これかなり勇気いるんだけど…
「はぁ…」
俺は脱衣所の鏡に向かい、盛大な溜息を落としてからズボンと下着を床に落とし、洗濯機の上に置いたラップを手に取った。
そして適当な長さに切ったラップで、プラーンと垂れ下がる中心を包んだ。
ゴムを被せた感覚に似てなくもないけど、そこは透明度抜群のラップだけあって、色も…それこそ皺とかもクッキリと見えていて…
「うわぁ…、超恥ずいし…」
でも仕方ないよね…、やるって言っちゃったし、それに何より、潤が喜ぶ顔が見たい。
俺は自分に言い聞かせ、ソフト粘土の封を切った。
思った以上に柔らかい粘土を二つに分け、軽く練ってから、ラップで包んだ中心全体が隠れるように張り付けた。
ソフト粘土ってだけあって、それ程重量感は感じないものの、やっぱr多少の重さは感じる。
それでも粘土が完全に…ではなくても、少し硬くなるのを待って、智から教えられた通り、中心を包んだラップごと粘土を引っこ抜いた。
見た目こそただの筒に見えるけど、空洞になった部分は…けっこうリアルに”俺”の形をしている。
っていうか、こんなんで本当にちゃんと出来るんだろうか…
俺は疑問を抱えながらも、粘土で出来た”俺”を潰さないようそっと持ち、バスルームを出た。