Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第26章 僕・俺達のバレンタイン協奏曲
智に荷物を半分持って貰い、手を繋いで智の部屋に向かう。
潤とだと照れちゃうのに、智とだと不思議と手を繋ぐのも恥ずかしくないのはどうしてだろう?
リビングに入り、二人で「どんなの作る?」とかさ、潤とは中々出来ない会話だから、けっこう楽しかったりする。
こんな風に思えるのは、やっばりお互い“嫁”だからなのかな…
「そろそろ始めちゃう?」
「そうだね、翔ちゃん帰ってくるまでに終わらせないとだしね」
時間がそんなに無いわけじゃないけど、慣れてる智に比べて、俺はこういうことって、あんまり慣れてないから…
潤や翔ちゃんよりは、芸術的センスはあると思うけどね?(笑)
「僕お湯沸かしてくるから、和ははだかんぼにしたチョコを細かく削ってくれる?」
「おっけー」
二人で手分けして準備を進めて行く…んだけど、けっこう大変なのね?
ピーラーを使えば確かに楽ではあるけど、それも一枚二枚の話。
五枚目に取り掛かった頃にはいい加減疲れてくるし、飽きだってくる。
なのに智は凄く楽しそうで、時おり鼻歌を歌いながら、黙々とチョコを削っている。
しかも超早い(笑)
あっという間に二つのボールは、削ったチョコでいっぱいになった。
「よし、後は湯煎してぇ〜、それからテンパリングしてぇ〜、んで〜型に流し込んでぇ〜」
ウキウキした様子で智が説明してくれるんだけどさ…
なんだろ…、俺の頭の中がテンパリング状態だよ(笑)