Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第26章 僕・俺達のバレンタイン協奏曲
ほどなくして部屋のチャイムが鳴った。
僕は相手の確認することなくロックを開錠すると、インターホン越しに「開いてるよん♪」とだけ返した。
けど、やっばり待ちきれなくて、玄関を飛び出し、エレベーターホールへと向かった。
まだかなまだかな〜♪
表示される数字を見ながら、寒さのあまり足踏みをしていると、チンと音が鳴って、エレベーターのドアがゆっくりと開いた。
「えっ、迎えに来てくれたの?」
両手いっぱいに荷物を抱えた和が、僕を見て驚いたように目を丸くする。
「うん。だって迷子になっちゃうといけないでしょ?」
「いや…、智じゃないから、それはないよ」
サラっと失礼なことを言う和。
でも和だから許しちゃう♪
「あ、荷物半分持つ?」
「うん、お願い」
僕は和の手から荷物を半分受け取ると、漸く自由になった和の片手を握った。
「行こ?」
「うん♪」
二人して手を繋いで家に入り、二人並んで靴を脱いで、二人揃ってリビングに入る。
ふふ、僕達って仲良しなんだ♪
「ねぇねぇ、和はどんなの作るの? 僕はね…」
「聞かなくたってしってるよ? クマさんでしょ?」
「当たり〜♪ じゃあ、僕が和のを当てるね?」
だからお互い何を考えてるのか、不思議と分かっちゃうんだよね〜♪
「んとね〜、シンプルにハート型とか?」
「正解!」
やったね♪