Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第2章 俺達のちょっと困った事情
パパさんの作った鍋を三人で突っつきながら、パーティーの段取りを決める。
とは言っても、会場は決まってるし、招待客…といっていいのか分からないが、それだって決まってる。
会場の飾り付けをどうするだとか、主役?を誰がどうやって会場まで連れて来るかってことだけで、そう大したことじゃない。
鍋が半分空になる頃には、大方の段取りは決まった。
後は、そうだ。
「ケーキはパパさんが用意してくれるんだよね?」
「おう、任せとけ」
地元じゃちょっとした有名パティシエのパパさんだ、当然期待値は”大”だ。
「あ、アレってまだ必要?」
”アレ”って、もしかして”アレ”のことか?
「チョコで作った”クマさん”でしょ? それは必要なんじゃない?」
それまで黙って鍋を突っついていた和が、珍しく口を挟んだ。
「だってさ、前に忘れた時あったじゃない? そん時さ、超ガッカリしてたもん」
確かに…
あん時の落ち込みようったら…、ケーキを用意してくれたパパさんに申し訳ないくらいだったっけ…
「ってことで、”クマさん”も忘れずにお願いします」
「はいはい、了解しました」
っつか、パパさんがオーナーだ、っつーの。
「あ、なんならケーキの形を”クマさん”にしちゃう?」
「それいいかも。絶対喜ぶよ」
嘘だろ…、この親子…。
絶対それはあり得ねぇって…。
”可哀そうで食べれなぁい”って言われんのがオチだと思うけど?