Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第2章 俺達のちょっと困った事情
潤said
どうして俺が泊まることを和が躊躇うのか、俺はすぐに分かった。
早くから独立して、一人暮らしを始めた俺と違って、和はまだ実家暮しだ。
男手一つで育ててくれたパパさんだから、和はパパさんから離れられないでいる、ってことも俺は十分理解してるし、どっか冷めた感じのする奴だけど、そんな優しい和が俺は気に入ってる。
だから、出来るだけ和が嫌がることはしないようにしよう、って常に心掛けてるつもり。
なのに、だ…
和の奴、あろうことか風呂も別、布団も別…、なんて言いやがった。
その条件が呑めないなら、泊まるなってな?
なあ、それって、俺のことどんだけ信用してないの?ってことだろ?
いくら俺でも、パパさんが隣の部屋で寝てんのに、張り切って“しようぜ”なんて気になれない、っつーの…。
第一、和ん家のマンション、壁薄いし。
そこまで俺見境なくないけど?
っつーか、そもそも“打ち合わせ”がメインであって、和とナニすることが目的じゃないんだけどな?
そりゃ、下心が全くないか…、と聞かれれば…、ゼロではないと断言出来るんだけどさ…
キスぐらいはしたいな、と思ってるからさ…
勿論、隙あらば…だけど。
勘の鋭い奴だから、多分その僅かな“下心”を見抜いたんだろうな。
ってか、クールに決めてるつもりでも、顔に出てたんだろうか?
“下心あります”ってさ…
だとしたら、俺もまだまだ修行が足りねぇな。