Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第25章 俺達のスケジュール帳
無事写真撮影も終わり、翔ちゃんがロウソクの火を吹き消すと、一瞬にして真っ暗な店内に照明が灯された。
と、同時に湧き上がる黄色い歓声。
暗くなったのをいいことに、二人は濃厚なキスをしていて…
「やだぁ、そんなに見ないでよ、恥ずかしいから」
なんて言ってるけどさ、その顔は全然照れてなんかなくて、寧ろ嬉しそうだし(笑)
「相変わらずだね、あの二人は(笑)」
「あ、パパ」
頭の上からかかる声に後ろを振り返えると、パパがクスクス笑いながら、俺の両肩に手を置いた。
フワッと甘い香りが鼻を擽る。
「ホント、バカップルって、あの二人のこと言うんだろうね?」
俺が言うと、パパはプッと吹き出して、俺の頭をポンと叩いた。
「パパから見たら、和達だって相当なバカップルだと思うけど?」
「うっそだぁ、俺達あんなんじゃないもん。それにパパだって…」
一瞬俺の脳裏に、あんまり思い出したくない光景が浮かんで、頭をブルンと振った俺を、パパが首を傾げる。
「俺…がどうしたって?」
「な、何でもないよ。と、とにかく、俺と潤はバカップルじゃないってこと! そんなことよりさ、早くケーキ切ってよ」
「はいはい(笑)」
はあ…、パパったらいつまでも子供扱いなんだから…
っていうか、傍から見たら、俺達もバカップルに見えてる、ってこと?
ううん、俺と潤はもっと大人の関係…だもん。