Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第25章 俺達のスケジュール帳
とは言え、店の準備だってあるし、いくら智が一人で出来ると言い張ったところで、営業の邪魔になることは目に見えてる。
結局パパさんの手を借りることになるだろうし…
そうなると、当然パーティーの準備にだって支障が出る。
ってことで、何とか上手いこと言いくるめ、パパさんから預かっていたコックコートを智に手渡した。
「ロッカールームで着替えてこい」
「うん♪」
くくく、現金な奴だぜ(笑)
そんなとこが翔さんも可愛くて仕方ないんだろうな…
ま、小悪魔モード全開の和には、適わないけど(笑)
「じゅーん、見て見て? 似合う?」
サイフォンに、挽いたコーヒー豆をセットしていると、ロッカールームから弾んだ声と共に、淡い水色のコックコートを着た智が、ジャージンとばかりに飛び出して来た。
流石パパさん、サイズもピッタリだ。
「どう? ねぇ、どう?」
嬉しそうにクルクル回る智。
ダンススクールのインストラクターらしく、超絶綺麗なターンだ(笑)
「似合うじゃん(笑) 翔さん、惚れ直すんじゃね?」
「えぇ〜、そお? ふふ、なんか照れちゃうな♡」
いやいや、呑気に照れてる場合じゃんなくて、そろそろ本気で作業に取り掛からないと、間に合わなくなる。
俺は智の背中をポンと押すと、
「ほら、いつまでも遊んでないで、お前も仕事してこい」
軽く押し出した。
「はぁ〜い♪」
「あ、くれぐれもパパさんの邪魔すんなよ?」
「分かってるも〜ん」
ははは、なんか不安だわ…