第25章 俺達のスケジュール帳

｢えっ、でも、どうして…？」

智にもしっかり口止めしたし…って言うか、｢翔くんには絶対秘密だからね！」ってしつこいくらいに念を押してきたのは智の方だし、だから智が喋る筈は…ないと思うんだけど…

｢あんなぁ、一緒に暮らしてんだぜ？　分かるに決まってるだろ(笑)　しかも智だぞ？　ルンルン顔でカレンダーに真っ赤なハートマーク書いてりゃ、何かあんだろうなってことは想像つくし…」

ハ、ハハハ…、はぁ…

まあ、智の気持ちは分かるよ？

こんな俺だってきっと浮かれちゃうだろうからさ…

でもよりにもよって真っ赤なハートマークなんて…

バレバレじゃんか！

｢あ、あと今朝のLINEもさ、アイツ心の声漏れすぎなんだよな…。だってさ…」

｢わ、分かった…。バレちゃったのは仕方ないとして、智には…」

もし翔ちゃんが知ってる、何てことになったら…

｢当然、気付いてないと思ってるだろうな？(笑)｣

良かった…

翔ちゃんが気付いてる、なんて知ったら、智のことだから、きっとショック受けちゃうもん。

智すっごく張り切ってたし、それはちょっと可哀想かなって…

｢ねぇ、翔ちゃん…、お願いだから智の前では…｣

｢分かってるって。上手くやるから安心しろ。な？｣

｢…うん｣

何でだろ…、翔ちゃんの“安心しろ”はちょっぴり不安が残るんだよな…