Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第25章 俺達のスケジュール帳
和也side
潤が出て行ってから暫くして、俺は翔ちゃんに電話をかけた。
智はもう出かけてるのか、電話口の向こうの翔ちゃんはなんとなく退屈そうで…
「暇してんならお茶でもしない?」
俺が誘うと、途端に声を弾ませた。
そこからは、もう(笑)
流石翔ちゃんというか…
電話を切ってから、10分も経たたないうちに、マンションの前には翔ちゃんの赤い車が停められた。
「ごめん、待った?」
「いや、全然。で、どこ行く?」
いっけね…、誘ったはいいけど、行先までは考えてなかった。
普段なら、迷うことなく「潤の店」って言うんだけど、今日はそうはいかない。
でも、潤の店以外のカフェなんて、俺知らないよ…
「翔ちゃんは? どっか行きたいところとかないの?」
この場合、超インドア派の俺よりも、潤ほどじゃないけど翔ちゃんのほどじゃないけど顔の広さに頼った方が良い。
「そうだなぁ…、潤の店はまずいんだろ?」
「そうなんだよね…。って、えっ…な…んで…?」
ちょっと待って?
まさか翔ちゃん…
「何でってお前…(笑) 俺が気付かないとでも思った?」
噓でしょ…
多分さ、俺、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してたんだろうね?
隣で翔ちゃんが撫でた肩を盛大に揺らした。