Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第2章 俺達のちょっと困った事情
「ただいま」
「お帰り。外、寒かっただろ?」
リビングのドアを開けると、俺達の帰りを待っていたのか、パパがキッチンから出てきた。
その手には、グツグツと音を立てる土鍋が抱えられている。
「おっ、今日の晩飯鍋なの?」
潤が鼻をクンクンと鳴らして、こたつに潜り込む。
ったく、ここ俺ん家だっての…
「そう、今日は冷えるからね。あ、二人共手洗いとうがいしておいで?」
カセットコンロの上に土鍋を置いて、パパが洗面所を指差す。
いい加減子供扱いはやめて欲しいんだけどな…
それでも、ちゃんと言付けを守らないと、飯にあり付けないことを俺は知ってるから、
「ほら、行くよ?」
既に箸を握り締めて、今にも鍋を突っつきそうな潤の手を引っ張ると、引き摺るようにして洗面所へと向かった。
地元のフリーペーパーにも”イケメンバリスタ”なんて紹介されてる潤だけど、パパの前ではそんなの通用しない。
パパにかかれば、イケメンだろうが何だろうが、皆同じ”子供“だ。
勿論、智や翔ちゃんに対してもね?
それを潤も分かってるから、パパに対してはいつだって従順で、俺はそんな潤が好きなんだ。
パパのこともひっくるめて、俺を好きだって言ってくれる潤がね…
但し、エロエロ大魔王に変身した時の潤は、ちょっと考えもんだけどね?