Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第2章 俺達のちょっと困った事情
和也side
仕事帰り、潤の店に寄ると、後片付けをしていた潤が急に言った。
「今夜泊り行っていい?」って…
どうやら来週に末に控えたイベントの打ち合わせを兼ねて、ってことらしいけど…
目的は絶対それだけじゃないことが分かってるから、安易にOK出来ないんだな、これが…
結局潤に押し切られる形で家の前まで来たものの…
やっぱり気が進まない俺は、
「マジで泊ってくの?」
途中で寄ったコンビニで買った、替えの下着が入った袋を振り回す潤を見上げた。
超浮かれてんじゃんか…
「勿論。パパさんの了承は得てることだし。…なに、駄目なの?」
別に駄目ってわけじゃない。
そうじゃないんだけどさ…
たださ、まだ実家暮らしの俺としては、色々とさ考えちゃうわけよ…
「じゃあさ、約束してくれる? エッチはなしって…」
流石にさ、パパがいんのに出来ないでしょ…あんなこと。
「しないよ? 言ったろ、”打ち合わせ“だって」
「絶対?」
「絶対しない。俺を信じろ」
信じろ、なんてさ…
そこまで言われたら、もう断れないじゃんか。
「分かった。その代わり、布団は別々だからね? 風呂も一緒には入んないからね?」
「分かったって…。もうさ、いい加減入ろうぜ? 寒くて仕方ねぇ」
言われてみれば、元々寒がりの潤はさっきから頻りに鼻を啜っている。
「だね、入ろっか…」
潤との硬い約束を取り交わし、漸く俺は玄関のドアを開けた。