Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第25章 俺達のスケジュール帳
とりあえず晩御飯の準備を優先することにして、向かい合って座ったデカ過ぎるダイニングテーブルに、お洒落に盛り付けられたパスタと、潤の店でも出しているバケット、グラスが並べられた。
「ちょっと飲むか? 丁度パスタに合いそうなスパークリングワインがあるんだ」
ワインねぇ…
出来れば俺は、ビールか日本酒…若しくは焼酎の方が良いんだけどな…
でも何にでも徹底的に拘りたがる潤だから、そこは敢えて文句は言わない。
だって潤が“合う”って言うんだから、それは絶対でしょ?
グラスに薄く黄金色した液体が注がれ、
「じゃ、食いますか」
潤の一声でグラスを持ち上げ、お互いのグラスをカチンと合わせる。
「で? 智がなんて?」
言いながら、ワインを一口含み、続けてバケットを頬張った。
「ああ、そう…、それなんだけどさ、翔さんのバースデーパーティしたいんだとさ」
「へ? 二人でしたんじゃないの?」
俺の知ってる話だと、翔ちゃんの誕生日当日に、パパのケーキでお祝いした、って…
それなのに、何故…?
「したよ? したけどさ、まあ色々あったらしくてさ…。で、その原因ってのが“お前”なんだとさ」
「は? お…れ…?」
俺の持っていたフォークから、綺麗に巻き付けたパスタがツルンと滑り落ちた。