Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第25章 俺達のスケジュール帳
和也side
「今度の週末、空けとけよ?」
得意料理の一つでもあるパスタを茹でながら、潤が俺を振り返ることなく言う。
俺は手元にあったスケジュール帳をパラッと捲ると、週末の予定を確認した。
偶然なんだけど、週末の予定は空欄になっている。
「一応予定はないけど…、何で?」
「土曜の午後、店貸し切りにするから」
「へぇー、そうなんだ…」
なんだ…、そういうことか…。
一瞬、たまには二人で…、なんて甘い期待もしたけど、丁度行きたい所もあったしね?
でも翌々考えればそうだよね?
週末って言ったら稼ぎ時だもん。
俺のために店休む、なんてことないよね…。
「えっ、でもどうして俺?」
普通に貸し切りだけなら、バイトの子だっているし、パパの店のスタッフだっているのに?
「それなんだけど、実はさ…」
アルデンテの具合を確かめるため、パスタを一筋啜る潤。
その姿にさえ、俺の心臓がドクンと跳ね上がる。
俺の前まで格好付けなくても…とも思うけど、それが潤だから仕方ない。
それにそんな潤に惚れたのは、他でもない“俺”だしね?(笑)
「智がさ…」
「智? 智がどうかしたの?」
聞き返した俺に、茹で上がったパスタをフライパンに移しながら、潤が苦笑いを向けた。