Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第24章 僕達のカレンダー③
「な、なあ、智…?」
俺は堪らず智をギュッと抱き締めた。
普通は…がどんなんかは知らねぇけど、もし今俺の腕の中にいるのが智じゃなかったら…
この状況を面倒臭ぇとか、ウゼェとかって思うのかもしれない。
でも俺は、俺のことを思って泣きじゃくる智を可愛いと思うし、自分のことより俺のことを思ってくれる智が、心底愛おしいと思える。
まあ、相当な”智バカ”ってことだよな、俺も(笑)
俺は智の涙を、一粒一粒唇で丁寧に吸い取りながら、背中に回した手で智の髪を撫でた。
「あの…さ、智? 俺にとっての最高のプレゼントはさ、智が俺の手で、唇で、それから…ま、まあ”ソコ”は別(じゃないけど…)として、気持ち良くなってくれるのが、何よりも嬉しいっつーか…」
「でもさ…、それってさ…、やっぱり僕だけじゃん…? 僕は翔くんと一緒じゃなきゃイヤなんだもん…」
時折しゃくり上げながら、でもなんとか自分の気持ちを伝えようとする智。
でもさ、智?
そう思ってんのは、何も智だけじゃないんだよ?
俺だって、どっちか一方だけが気持ちイイセックスなんてしたくないし、望んでもいない。
そんなの、折角愛してる奴がいんのに、オナニーしてんのと同じだろ?
そん時は気持ちイイかも知んねぇけど、後に残るのは、きっと虚しさが大半だと思うからさ…