Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第24章 僕達のカレンダー③
暗いのをいいことに、智と手を繋いでマンションまで帰った俺達は、ドアを開けるなり、激しく濃厚なキスを交わした。
そして智の膝がガクンと崩れ、さあベッドへ…って時に限って空気が読めないっつーかなんつーか…
「翔くん…、僕…、お腹空いちゃった…」
なんてさ、色気より食い気を選ぶ智に、俺の肩はガクーンと下がり…
でも俺も正直言うと、散々走らされたせいか、さっきから腹の虫が煩くて…
「とりあえず飯食うか…」
「えっ、でも翔くん食べて来たんじゃないの?」
俺の腕に大人しく抱かれながら、智が不思議そうな目をして俺を見上げる。
「あんなぁ、あんなモンは食ったうちに入んねぇの」
酒がメインの席で出されるのはツマミ系の物が殆どで、そんな物で腹が満たされるわけがない。
仮に満たされるとしたらビールの炭酸?くらいの物で、それだって一回トイレに行ってしまえば…ってやつだ。
「ふ〜ん…。僕には良くわかんないや…」
だろうな…、智は元々が食が細いからさ。
「あ、じゃあさ、いっぱい食べて? 僕、張り切って作り過ぎちゃったから」
リビングに入って、俺の腕からひょいと飛び降りた智は、カウンターの上にズラーッと並べられた皿を、そりゃもうウキウキしながらテーブルに並べた。
つか、こんな時間に、こんなに誰が食うんだよ…
でも仕方ないか…
俺のために作ってくれたんだもんな?
それも俺の好物ばかり。