Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第24章 僕達のカレンダー③
「っとにお前はバカなんだから…」
俺は人目も憚らず智の腕を引くと、やっぱり人目も憚らず智をギュッと抱き締めた。
「ぐ、ぐるじいよ…」
「うるせぇ、俺に心配かけた罰だ。黙ってろ」
俺の腕の中で、智が「うん」と頷いて、鼻をジュルルと啜って、クシュンと小さなくしゃみを一つする。
「おら、帰るぞ。風邪引く…」
いくら外からの風が遮られているとはいえ、肌に感じる空気の冷たさは正しく冬のそれで…
俺は智の身体を少しだけ離すと、コートのボタンを全部留めた。
「ふふ、ありかと♡」
「お、おう…」
あーあ、俺も大概智に甘いよな…
笑顔一つでコロッと機嫌良くなっちゃうんだからさ(笑)
だからさ、普段なら絶対しないけど(いや、してるけど…)、
「手…、繋ぐか?」
智に向かって右手を差し出した。
「うん♪ あ、でも待って?」
頷いてから何かを思い出したのか、智がコホンと咳払いをする。
「あのね、お家に着いてからだと遅くなっちゃうから、ここで言うね?」
「お、おん…」
なんとなーく…、だけどさ、智が何を言うつもりかは分かる。
分かるんだけどさ、やっぱそこは黙って知らないフリをするべきだよな?
「翔くん、お誕生日おめでとう♡」
期待通りの言葉に、俺の頬が思わず緩む。
「それからね、大好き♡」
そう言って智が俺の緩み切った頬にチュッとキスをする。
おいおい、それはフェイントだろ(笑)