Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第24章 僕達のカレンダー③
「あれ? でもおかしいなあ…、じゃあ駅で見かけたのは、人違いだったのか?」
コンビニを出ようとしていた俺の背中で、バイト君がしきりに首を捻る。
「駅って…?」
「いえね、改札出た所でずーっと立ってたんで、手振ったんですよ。そしたら超可愛い顔で手振り返してくれましてね…」
まさか智の奴、俺の帰りを待って…?
嘘だろ、おい…
「ありがとう、また来るよ…」
俺はバイト君に礼を言うと、自動ドアを押し開き、コンビニを飛び出した。
早く帰りたいからって…
智が待ってるからって、タクシーなんか使うんじゃなかった。
いつも通り電車を使っていれば、もしかしたら擦れ違うことはなかったかもしれないのに…
「あー、もぉ、くそっ!」
こんなに走らされるなら、やっぱりスニーカーに履き替えて来るべきだった。
って、俺どんだけ後悔してんだよ…
でもそもそも俺が、久々の同期の飲み会のお誘いに浮かれて、自分の誕生日忘れてたのが原因なんだよな?
分かってんだよ。
でもさ、智だって一言言ってくれたら、こんなことにはならなかったんじゃね?
って、智を責めるのは間違いか…
だって智は何も悪くない。
寧ろ俺の誕生日を忘れずにいてくれたことに感謝しないと…