Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第24章 僕達のカレンダー③
人気もなく、たまに吹き付ける冷たい風に揺れるブランコの音だけが響く深夜の公園は、酷く不気味だ。
それに風を遮る物もないから、やたらと寒い。
こんな所に、あの智がいるとは、とても思えない。
いや、でもああ見えて、意外と心臓強いんだよな、智の奴…
俺は公園内を一通り見て回り、智がどかにもいないことを確認すると、すっかり冷えた身体を温めるべく、公園の前にあるコンビニに入った。
イートインスペースに座り、熱々のコーヒーを啜りつつ、今一度頭の中を整理してみる。
家にもいないし、公園にもいない…、となると残るは潤の家か実家のどちらかだが、もし仮に実家に行ってるとしたら、今頃お袋さんからひっきりなしに電話がかかって来てる筈。
でも今のところ、電話がかかって来た形跡はない。
ってことは潤のとこか?
いやいや、でもなあ…、この時間だし、いくら友達とは言え、失礼じゃね?
でも…一応電話してみるか…
飲み終わった缶をゴミ箱に入れ、コンビニを出ようとしたその時、
「あれ? 今日はお一人ですか?」
丁度出勤時間だったのか、顔馴染みのバイト君が声をかけてきた。
「まあね」
俺は眉間に寄せた皺を咄嗟に伸ばし、得意の営業用スマイルを浮かべた。