Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
「あ~、閉まってる…」
僕たちがパパさんの店に着いたころには、すっかり閉店時間を過ぎていて、店にはしっかりシャッターが下ろされていた。
「この時間じゃしょうがないか…」
「そんなぁ…」
パパさんにちゃんと謝りたかったのにな…
それにいっぱい相談にも乗って貰っちゃったし、お礼だってしたかったのに…
「あ、ねぇ、じゃあご褒美もなし?」
「ん? まあ、そうなる…かな?」
そんなぁ…、ご褒美楽しみにしてたのに…
「帰るか…。また明日にでも来ればいいし」
「…うん」
「こら、んな顔すんなって。コンビニでケーキ買ってやるから、な?」
「えっ、マジで? やったぁ♪」
って、喜んだのは一瞬。
ケーキを求めて入ったコンビニは、売り切れで…
結局ご褒美のないまま、僕たちはマンションへと帰った。
「風呂どうする? …っか、いつまで拗ねてんの?」
だって、ご褒美欲しかったんだもん…
「ほら、おいで? ”おまじない”まだでしょ?」
翔くんが胡坐をかいた膝をトントンと叩く。
あ、そうだった。
ご褒美のことばっか考えてて、”おまじない”のことすっかり忘れてた。
僕は翔くんの膝の上に背中を向けて座ると、厚い胸板に凭れかかった。
「うん、して? ”おまじない”いっぱいして?」
ご褒美のことなんて忘れちゃうくらい、いっぱいね?
「ついでに”お仕置き”もな?」
もぉ、やっぱり翔くんは意地悪だ。