Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
「あのさ、一つ聞いていい?」
「なになに、お仕置きの内容? だったら後の楽しみに取っといた方が良いんじゃない?」
もぉ…、翔くんたらホントエッチなんだから…
「違うよ…。あのね、さっきね、翔くんのお友達…斗真って人?が言ってたんだけどね、翔くん大学時代、超モテモテだったんだって?」
出来ればあんまり聞きたい話じゃなかったけど…
だって僕の知らない翔くんだから…
「アイツ、余計なこと言いやがって…。まあ、確かに告られたことは何回かあったけど、でも全部断ったし…」
それは僕がいたから?
僕がずっと翔くんの“こびと”だったから?
「付き合ってみよう、とか思わなかったの? その…普通の女の子と…」
どんなに女装が可愛いくたって、所詮僕は本当の女の子にはなれないし…
それに結婚だって出来ないからさ…
「それがさ、不思議とそんな気になれなかったんだよな…。俺には“智”って恋人がいて、でもソイツは“男”なのにさ、変だよな?」
「じゃあさ、翔くんの“こびと”が男の子だ、ってカミングアウトした時、恥ずかしくなかった?」
「全然。俺、智と付き合ってるってこと、一度だって恥ずかしいと思ったことないし…。俺には智しか考えらんないから。そりゃさ、偏見とか色々あるだろうけどさ、智とだったら乗り越えられる、って信じてるから」
そうだよね、僕たちなら…僕と翔くんなら、きっとどんなことだって乗り切れるよね?
「翔くん、大好きだよ?」
「バカ、知ってるよ」
きっとこんな風にさ。
おわり♥