Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第23章 僕達のカレンダー②
「パパさん、これ作りすぎちゃったから食べて?」
僕はパックの入った袋をパパさんに差し出した。
パパさんは袋の中身を覗くと、超爽やかな笑顔で、
「一人だと、中々面倒臭くてね…。助かるのよ、ありがとう」
唐揚げを一つ口に放り込むと、「うまい!」と顔を綻ばせた。
うん、やっぱり喜んで貰えると嬉しいや♪
だってさ、翔くんなんてさ…
僕が「美味しい?」って聞いても、「まあな…」で終わっちゃうんだもん。
前はさ、何食べても「ンまい!」って言ってくれてたのにさ…
それに誕生日だって、絶対忘れたりしなかったし…
「はぁ…」
「どうした? 何かあった?」
「えっ、べ、別に…」
「そう? ならいいんだけど…」
いけないいけない…
危うく心の声が漏れちゃうとこだった。
「じゃあ、ちょっと準備するから、コーヒーでも飲んで待ってて?」
「うん♪」
パパさんが店の奥に消えて行く。
僕はパパさんに言われた通り、併設している潤のカフェの、いつものお決まりの場所に腰を下ろした。
「どうした、元気ねぇじゃん」
僕の前にキンキンに冷えたアイスコーヒーが置かれる。
勝手に出てくるのは嬉しいけど、今日はアイスコーヒーの気分じゃないんだよな…
ってゆーかぁ、そんなに僕顔に出てる?