第23章 僕達のカレンダー②

まさか本気で忘れてると思わなかった。

だって自分の誕生日だよ？

カレンダーにだって、こーんなおっきなハートマーク書いたのにさ…

普通忘れる？

ありえないでしょ…

｢あーあ、これどうしよう…｣

僕は開け放った冷蔵庫の中を見て溜息を落とした。

｢これも、これも…それからこれも、全部翔くんのために買ってきたのにな…｣

この日のために、翔くんパパから貰ったお年玉も、半分のこしておいたのに…

全部無駄になっちゃうのかな…

｢う〜ん、どうしよっかな…｣

捨てちゃうのも勿体無いし、かと言って僕一人じゃ食べきれないし…

あ、そう言えばケーキ！

パパさんに頼んであるんだったっけ…

翔くんのための、パパさん特性超濃厚チーズケーキ。

翔くん喜んでくれると思ったのにな…

｢そだ、いいこと思いついちゃった♪｣

僕は翔くんのために買い込んだ材料を全部カウンターに並べると、お気に入りのエプロンをかけた。

どうせ翔くんに食べてもらえないなら、ちゃんと食べてくれる人にあげた方が、おりょーりだって喜ぶ筈。

僕は大急ぎでおりょーりを作ると、それをいくつかのパックに詰め込んだ。

それでもおりょーりは大量に残ってしまったけど、それは仕方ない。

明日食べればいいもんね？

ちょっと寂しい気もするけど…