Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第22章 僕達のカレンダー①
はあ…と、生田が深い溜息を落として頬杖をつく。
「分かったよ、じゃあこれから”奥さん”て呼べばいい?」
「ま、まあ…、それなら…」
つか、”奥さん”って…妙にエロく聞こえんのは、俺だけか?
「でもさぁ、本当に良かったの?」
一人で顔を赤くする俺に、生田が珍しく真剣な顔を向ける。
「何が…?」
「だって今日ってさ…」
生田が言いかけた時、階段を上がってくる足音が聞こえ、
「来たんじゃね?」
俺の視線はそれまで向けられていた生田から、廊下と個室を遮る襖に向けられた。
そして開けられた襖から、続々と集まって来る同期の奴ら達。
そう大して広くもない個室は、すぐに人で溢れかえった。
そこからはもう…一種のカオス状態(笑)
同期が10人も集まれば、出てくるのは当然、上司や会社に対する不満や噂話ばかり。
それぞれ所蔵している課が違ったりするから、ある意味情報交換の場でもあったりする。
何はともあれ、監視の目がないのをいいことと、程よく回ったアルコールの力を借りて言いたい放題だ。
日頃ストレスフルな環境にいるから、たまにはこういったガス抜きの場も必要、ってことだ。
それにしても、まあ…出てくる出てくる(笑)
やっぱり、気心が知れた仲間と飲むのは楽しい。