Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第22章 僕達のカレンダー①
と、まあそんなこんながあって、俺の中で生田は”智狙い“確定かつ認定されたわけで…
そんな奴が智の匂いや、なんなら涎まで染み込んだマフラーや手袋持ったら…って考えると…
「絶対駄目だ。お前だけには絶対貸さねぇ」
「チェッ、ケチだなぁ、櫻井は」
「ケチでけっこう。つか、もう店着いたし」
生田と揃って暖簾を潜ると、他のメンバーはまだ到着していないのか、店員は俺達を店の二階の個室に案内した。
人数分の席が用意されたテーブルは、足元が掘りごたつになっていて、部屋の雰囲気も中々落ち着ける造りになっている。
何より、個室ってところが、周りを気にしなくて済むからいい。
「どうする? 皆まだ来てないみたいだし、適当に座っちゃう?」
「だな。まだ予定の時間には少し早いし、そのうち来るだろ」
俺と生田は、それぞれ一番壁際…奥の席に向かい合わせに座り、掘りごたつに足を下ろした。
「そう言えばさ、今日さとちゃんどうしてんの? 一人でお留守番?」
「いや、智は智で別に用事があるみたいだけど? つか、お前その”さとちゃん”ってのやめねぇ?」
「え、別にさとちゃんが良いって言ったんだから良いんじゃない?」
「だーから…、そういう問題じゃなくてだな…」
智が良くても、俺が嫌なんだ。
俺以外の奴が、智を特別な呼び方すんのが…