Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第22章 僕達のカレンダー①
スッカリ下を向いてしまった”俺自身”と同じく、ガックリと下がった肩に、ズッシリとのしかかった生田を担ぎ、リビングへの廊下を歩く。
でも、ドアノブを握った所でふと、ベッドの上にスッポンポンのポンッ状態で放置してきた智のことを思い出した。
まさか智の奴…、いやいや、いくら智でも流石に裸ではいねぇだろ…(笑)
俺は智を信じると同時に、自分自身を納得させ、ドアノブを捻った。
その時、
「ぎぼぢわる…ぃ…」
えっ…!?
耳元で聞こえた悪魔の囁きにも似た声と、続けて聞こえて来た地鳴りのような音に、俺の顔から血の気が引く。
「う、嘘だろ、ちょっと待て…、トイレ…」
なんて言ってる間もなく、背中に感じたジョワーッと生暖かく湿った感触…
おいおい、マジかよ…、勘弁してくれ…、お気に入りのスウェットだぞ…?
俺は悪夢のようなその状況に愕然とするしかなくて、ドアノブを握ったままその場で立ち尽くしていた。
そうなると、いつまで経っても俺が戻ってこないことを智が不安に思わないわけもなく…
「しょうおくん…? お客様誰だったの…?」
握っていたドアノブがゆっくり手の中で動き、ドアが勢い良く開け放たれた。
「俺…シャワー浴びて来るわ…。悪ぃけど、コイツに水やってくんね?」
「う、うん…」
俺は出すもん出してスッキリしたのか、少しだけ顔色の良くなった生田を智に託し、バスルームへと駆け込んだ。