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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第22章 僕達のカレンダー①


ムカつくし、イライラする…

とは言え、仕事は仕事。

一通り業務を済ませ、終業時間を迎えた俺は、早々に首から下げた社員証を外すと、挨拶もそこそこにオフィスを飛び出した。

智に電話をするためだ。

流石に、どこで上司や部下が聞き耳を立てているか分からない社内では、確実に痴話喧嘩に発展するであろう電話をかける気にはならなかった。

だからこそ終業時刻を待って、わざわざ社外に出たのに、だ…

「おーい、櫻井、置いてくなよな〜」

例外なく現れるコイツ…

マジで空気読めねぇ奴だわ…

俺は、生田に見えないようにコッソリ舌打ちをすると、手に持っていたスマホを胸ポケットに仕舞った。

でもなあ…

空気読めない奴ってのは、案外“カン”も鋭いわけで…

「おっ、なになに、もしかして“嫁さん”に電話だったとか? うわぁ、そりゃ悪いことしちゃったな(笑)」

なんて言いながら、俺の肩をバシバシ…遠慮なくバシバシと叩いて来やがる。

生田のことは嫌いじゃない。

寧ろ同期の中では仕事も出来る方だし、人当たりもいいから上司受けも悪くない。

ただ空気が読めなさ過ぎるのが玉に瑕(きず)なんだよな…

「…んなんじゃねぇよ。おら、行くぞ。時間に遅れる」

そして俺も…

こんな時に限って、几帳面過ぎる性格と、妙に高いプライドが邪魔すんだよな…
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