Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第22章 僕達のカレンダー①
智からの意味不明LINEにムシャクシャしながら会社に着いた俺は、デスクにブリーフケースをバンと音を立てて置くと、一つフンっと鼻を鳴らし、ドカッと椅子に腰を下ろした。
普段“温厚な人(事実だけど)”で通ってる俺のその様子には、流石に周りにいた女性社員も驚いた素振りを見せていたが、そんなこたぁ知ったこっちゃねぇ。
とにかく智の一方的な、文句タラタラLINEに腹が立っていた。
で、こんな時に限って声をかけて来る奴が、社一空気の読めない男“生田斗真“で、勿論今夜の飲み会のメンバーだ。
「おいおい、どうしたよ、嫁さんと喧嘩でもしたか?」
なんて言いながら、親指を立てて来やがる。
あえて小指を立ててこないのは、俺と智の関係を知ってるからだ。
ま、俺達の関係を知ってるのは、何も生田に限ったことじゃないけど。
会社に入社…っていうより、面接の段階でカミングアウト済み。
だからちょっとくらい揶揄われたところで、今更腹も立たないし、寧ろ笑ってやり過ごすことだって出来る。
“いつもなら”な?
でも今日は無理だ。
「うっせー、ほっとけ…」
俺は、嫌味のように目の前でクイクイする親指を払い除けると、無言でPCの電源を入れた。