Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第21章 僕達の成人式
「あんだろ…、上の方に…」
上…の方…?
言われて僕は視線上に向けた。
するとそこには棚があって…
「あ! あったかも!」
桐(?)の箱らしき物がチラリと見えた。
僕は背伸びをして、必死で手を伸ばすけど、箱までは後ちょっとのトコで届かなくて…
「翔くん、届かない…」
(シャクだけど)僕は翔くんに頼ることにした。
ほんのちょっとだけど、翔くんの方が僕よりも背高いから。
「ったく、しょうがねぇなぁ…」
翔くんたら、面倒臭そうにしてるけど、僕がピンチの時は必ず助けてくれるんだ♪
「ほらよ…。これだろ? 探してたのって…」
「うん!」
ちょっと埃被っちゃってるけど、確かに僕の記憶(大分忘れてたけど…)にあった箱に間違いない。
僕は丁寧に埃を払い、箱の蓋をそっと開けた。
「うわぁ、これだよこれ! ほら、翔くんのも一緒に入ってるよ」
ってゆーかぁ、僕の記憶(曖昧だけど…)が正しければ、箱は二つあったと思うんだけど…
ま、いっかぁ♪
目的の物は見つかったんだし。
「ねぇ、着てみない?」
「はあ? お前忘れたのか? 成人式の後、ホテルで悪戦苦闘したのを…」
「そう…だったっけ?」
そんなこともあったような、なかったような…
「で、でも、せっかくだし…、ね?」
お願い、翔くん♡