Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第21章 僕達の成人式
珍しく翔くんよりも先に食べ終えた僕は、翔くんがスープを飲み干すのを、今か今かと待ち侘びた。
僕の考え過ぎかもしんないけど、翔くんわざとゆっくり食べてるような気がする。
だっていつもなら間違いなく、僕が一杯食べ終わる前に「おかわり」って言うもん。
「わざとゆっくり食べてるでしょ…」
「ん? 別に(笑)」
ほら、絶対だ!
僕は翔くんの手から箸を取り上げると、ほぼ空になったカップも取り上げ、シンクに投げ入れ、
「お腹いっぱいになったでしょ? 教えて? どこにあんの?」
またまたゴロンしようとした翔くんの前に仁王立ちになった。
愛する旦那様の希望を叶えたんだから、今度は愛する妻の希望を叶えて貰う番だ。
「ああ、アレなら多分…」
そこまで言って、翔くんが寝室の方を指差す。
「えっ…?」
「クローゼットの中、見てみ?」
クローゼットの…中?
僕、そんなトコに仕舞った記憶ないけど?
でも翔くんが言うなら…と、僕は寝室のドアを開けた。
「うぅ〜、寒っ…」
暖房の付いていない部屋は、空気がヒンヤリと冷たくて、
この部屋でエッチしなくて良かった…
なんてことを思ってしまう。
だつてこんな寒い部屋でエッチしたら、風邪ひいちゃうもん。