Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第21章 僕達の成人式
「その、さ…、箱ってどんなだった?」
「箱? 箱って、何の?」
茹ダコになる前にお風呂から上がった僕を、翔くんがバスタオルで包む。
「何の、って…、だから羽織と袴の入った箱のことだよ」
「んと…、確か木?の箱に入ってたと思ったけど…」
ホントのこと言うと、僕もその辺の曖昧なんだよなぁ…
「木って…、桐の箱のことか?」
「多分…」
自信なさげに頷いた僕に、翔くんが苦笑いを浮かべる。
だってしょうがないじゃん…、もう何年も前のことだし、僕だってそんな前のこと覚えてないんだもん。
「桐の箱ねぇ…」
隅々まで拭き終わった僕に、パジャマ代わりの青いスウェットを着せ付けながら、翔くんが何度も首を捻る。
「見たような、見てないような…」
そうなんだよ、僕もどっかで見たような気がしてるんだよ…
でもそれがどこだったか、ぜーんぜん思い出せないんだよね(;^_^A
「とりあえずさ、飯食わねぇ? 運動したら余計に腹減った…」
う、運動って…
翔くんたら色気もなーんもないんだから…
でも言われてみれば、僕のお腹もさっきからキュルキュル言ってる…ような気がする。
「つかさぁ、俺分かったかもしんねぇ…」
「分かったって、何が?」
「ん? 箱の場所」
えっ、マジで?