Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
翔said
なーんて、安請け合いするもんじゃない、と後悔したのは、大盛り上がりの飲み会を終えてからの帰り道。
元々人当たりの良い智だから、俺の友人に受け入れて貰うのに、そう大して時間はかからなかった。
”こびと”発言は大うけだったしね。
でもそうなると断ることを知らない智は、注がれるままに酒を飲み…
結果、酔い潰れた智を、俺は背中におぶって帰路に着くことに…
こりゃ“おまじない”どころか“お仕置き”レベルだな。
それにしても重い…
そろそろ俺の腰も限界状態。
「さーとしくーん、もうそろそろ起きてくんないかなぁ? じやないと、“おまじない”してやんないぞぉ?」
お尻を支える手を少し動かして、丁度智の割れ目に沿うようにずらしてやる。
もし狸寝入りだとしたら、絶対反応がある筈。
例えば、こんな風にね?
俺の首に巻き付いた智の手が、キュッと俺のコートの襟を掴む。
くく、やっぱり狸だな。
「あーあ、今日の“サトくん”、皆の前でちゃんと俺の“こびと”らしくしてくれたから、ご褒美にパパさんのケーキでも買ってやろうと思ったんだけどなぁ。残念だな…」
“ご褒美”に反応したのか、それとも俺の指の動きに反応したのか…
「ふぁ〜あ、良く寝た。あれ、ここどこ?」
って…、どんだけ芝居下手なんだよ。
「あ、ねぇ、下ろして? 僕歩けるから」
なんだ、こんなことならもっと早くこうすれば良かったな。