Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
「お、おぅ…、分かった…。ああ、そっちはそっちでなんとかしてくれ。俺はこっちを…」
どんどん険しくなって行く松岡さんの顔に、不安を感じずにはいられなかった俺は、よっぽど不安そうな顔をしていたんだろうね?
俺の顔を見て、松岡さんが苦笑いをする。
そしてピンと立てた指をどこかに向けると、俺に目で合図(らしきもの)を送って寄越した。
俺はその指の先を目で追うと…その先にあった俺のスマホを手に取った。
「えっ…?」
首を傾げた俺を見て、松岡さんが電話を二つに折り畳み、
「スマン、雅紀」
と、俺の胸に頭が着くくらいに頭を下げた。
「えっ、ちょっと待って? なんで昌宏さんが謝るの?」
別に昌宏さんに謝って貰うようなこと…、なかったと思うけど?
「あんなぁ…、今の電話…、潤坊からでな…」
「潤が…? なんでまた…」
「ついでに言うと、さっきの電話は和坊だ」
「えっ、和?」
だって和が家の電話にかけて来ることなんて、滅多にないのに?
「実は…だな…、俺らのその…なんつーか…、最中っつーかよ…、中継されてたみたいでよ…」
最中が中継…?
「一体どういう…こと?」
「だ、だから…、配信?ってやつらしい…」
「は、はあ?」
俺は手の中で裏を向いていたスマホを慌ててひっくり返した。