Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
無事(?)記念撮影も済ませ、俺は漸く目の前のケーキにナイフを入れ、二つに切り分けたそれをお皿に乗せ、小さい方を松岡さんの前に置いた。
松岡さんが食べないことは分かっててもね。
松岡さんは俺のスマホを、それは丁寧にスマホスタンドに立てかけると、その手に今度はフォークを握った。
そしてフォークでイチゴを突き刺すと、何を思ったのか…
「口開けろ」って…
「えっ、く、口…? なんで…」
当然戸惑った俺は、首を傾げたよ。
そしたらさ、松岡さんの顔がどんどん赤くなって…
「はら、アレだ…、なんつーか、アーンしてやっからよぉ…」
「あ、あーん…て、本当に…?」
松岡さんの口から、“あーん”なんて言葉が出るなんて、まさかまさかだよね(笑)
きっと誕生日だから特別サービスってことなんだろうけど、あまりにも意外過ぎて、思わず笑ってしまいそうになる。
「ほら、とっとと口開けろや」
「うん(笑)」
ぶっきらぼうな物言いだけどさ、それが何だかとても嬉しくて…
俺は松岡さんに向かって思いっきり大きな口を開けてみせた。
俺の口の中に、甘いホイップを纏ったイチゴの甘酸っぱさが広がる。
「う〜ん、おいひぃ♪」
「そうか、うめぇか(笑) じゃあ、俺も…」
えっ…?
驚く間もなく、松岡さんの唇が俺の唇に重なった。