Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
俺の手からスマホを取り上げ、レンズをこちら側に向けて構える松岡さんを横目で見ると、顔がとても強ばってるのがわかる。
あーあ、そんな怖い顔してたら、せっかくのイケメンが台無しだよ(;^_^A
それに…
「あ、あのぉ…、昌宏…さん?」
「ん、なんでぃ…」
「最近のスマホってね、自撮りモードってのが出来てね、こうするとホラ…」
未だ二つ折携帯愛好者の松岡さんは、スマホの扱いがイマイチ理解ってない。
だから…かな…、ついつい出来心ってやつが湧いてしまったのは…
「ふーん…、つーかよぉ、さっさと撮るぞ」
「あ、うん…、ちょっと待って?」
俺はせっかくの記念の一枚を、自分だけに納めておくのが勿体無くて、和を含めた子供達とのグループLINEを開いた。
いつも熱々っぷりを自慢ばかりされてるから、たまには俺だって…
大人気ないけどさ、そう思ってしまったのが、そもそもの間違いだったんだ。
「はい、これで大丈夫。はい」
松岡さんにスマホを手渡し、ケーキを片手に笑顔を作る俺。
俺の肩を抱き、スマホを構える松岡さんは、さっきよりは顔の強ばりも取れているように見える。
「よし、撮るぞ? ハイ、チーズ」
松岡さんの合図と同時に、スマホがカシャリと音を立てた。
後から思えば、この時にちゃんと確認すれば良かったゆだけどさ、この時は松岡さんと写真を撮れたことが嬉しくて、それどころじゃなかったんだよな…(;^_^A