Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
小さなケーキにロウソクを灯し、それを間に松岡さんと見つめ合う。
おかしいよなぁ…、今更照れるような間柄でもないのに、何だか妙に照れ臭い。
「あ、あの…、これって松岡さんが?」
俺はケーキの中央に飾られたプレートを指さした。
「そ、それがどうしたってんだ…」
「いえ、どうも…?」
そうなんだ…、松岡さんが…
「Happy Birthday マサキ」って…、どんな顔して頼んだんだろうな…
「な、なに一人でクスクス笑ってんだ、とっととロウソク消さねぇか…」
「そうですね」
自分でも気付かないうちに笑っていたことを指摘され、俺は息を吸い込むと、それをロウソクの揺れる炎めがけて吹き付けた。
一瞬で部屋が闇に包まれ、どこからともなく伸びてきた腕が俺の首に絡みついた。
「俺よ、気の利いた台詞とか言えねぇから、代わりにこれで勘弁な?」
「そんな…、俺は別に…」
言いかけた言葉は、不意に重なった唇に塞がれた。
言葉なんていらない、こうしてキス一つくれるだけで、松岡さんの気持ちは伝わるから…
それに、この歳になって「おめでとう」なんてさ…もうそんな若くもないし、有難いけど、やっぱりちょっと…ね(;^_^A