Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
店の戸締りの確認を済ませ、シャッターを下ろした俺は、愛車(自転車だけど…)に跨り、家路へと急いだ。
松岡さんのことだから、もう家の前で俺の帰りを待ってる筈。
俺の家に来る時はいつもそうだから…
合鍵でも渡しておけば、松岡さんを待たせることはないんだけど、そこはやっぱり和のことを考えると…なかなかね(;^_^A
松岡さんもそれを分かってるから、文句一つ言わず…って感じなんだけどさ、流石に申し訳なさはあるわけで…
俺は全速力で自転車を走らせた。
そうして漸くマンションが見えた頃には、息はもうこれでもかってくらい上がっていて…
俺は駐輪場に自転車を停めると、一段飛ばしで階段を駆け上がり、
「松岡さん…」
ドアに凭れて鼻を啜る松岡さんに声をかけた。
「ごめんなさい、寒かったでしょ?」
いくら暖冬だとはいえ、夜になればそれなりに気温は下がるし、何の囲いもない吹っ晒しの通路ならなおのこと。
「どうってことねぇよ」
なのに格好つけたがるのが、松岡さんらしい。
俺は急いで玄関の鍵を開けると、
「入って?」
冷たくなった背中を押した。
「車で待っててくれれば良かったのに…」
「そう思ったんだけとな? でもそろそろ帰って来る頃だと思って…。つか、お前店出る前にメールとか確認しろよな?」
「えっ…?」
あ…、しまった…
急いでたから、ついうっかり忘れてた…(;^_^A