Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第17章 僕達のバースデーソング③
「母ちゃんがね、こっそり撮ってくれてたみたいでさ、送ってくれたの♪」
そこには、俺が辿たどしくもピアノ弾く姿が映っていて…(しかも動画で…)
あまりの下手くそっぷりに、自分で恥ずかしくなる。
でも智はその送られてきた動画を、繰り返し何度も何度も再生しては、フワフワした笑みを浮かべている。
「そんなにカッコよかった?」
「うん、すっごく!」
正直さ、そこまで喜んで貰えると、練習した甲斐があった、って言うか…、悪い気はしない。
「クマさん(失敗作だったけど…)と、俺のピアノ…、どっちが嬉しかった?」
あーあ…、どうして男ってやつは、こうも比べたがりな生き物なんだろうね?
答えなんて決まってるし、そもそも選べないこと分かってんのにね?
「ええ〜、どっちだろ…? どっちも嬉しかったしなぁ…」
ほらな?(笑)
「でもぉ、しいて言えばぁ…」
数歩先を歩いていた智がピタリと立ち止まり、満面の笑みを浮かべて振り返った。
「な、なんだよ…」
んな顔で笑われたら…、ドキドキすんじゃねぇかよ…
「ふふ、やっぱりどっちも選べない。だってさ、何回も言うけどさ、どっちも嬉しかったんだもん♪ 翔くんの愛情、いっぱいだったし♪」
なんだ…、ちゃんと分かってんじゃん(笑)