Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第17章 僕達のバースデーソング③
でもね、ケーキが僕の前に再び運ばれて来た時、僕は潤の言ってた意味を漸く理解した…っゆーか、納得?したってゆーか…
「ね、ねぇ…、この真ん中の青いのは…一体なに?」
パーティ仕様の四角いケーキの中央に、青い…多分デコペン?それともゼリー状の何か?だとは思うんだけどさ…、青くてドゥルンとした…
「あ、分かった! スライムでしょ? ほら、和が昔よくやってたゲームに出てくるアレ!」
そうだよ、絶対そうだ。
だって、形は大分変だけど、色とかさ、それにちゃんと“目”らしき物もついてるし。
「ね、そうでしょ、パパさん?」
僕はパパさんのコックコートの裾を掴んだ。
でもパパさんは苦笑いを浮かべたまま、コックコートの裾から僕の手を引き剥がした。
「えっ、違う…の?」
おっかしいなぁ、絶対スライムだと思ったんだけどな…
「うーん…、答えは翔くんに聞いた方がいいかもしれない…かな…」
「翔くんに? どうして? だってパパさんが作ってくれたんじゃないの?」
「それが違うんだな…。ね、翔くん?」
えっ…、どうゆーこと?
僕は、同じように苦笑いを浮かべるパパさんと翔くんの顔を交互に見た。
「まさか…と思うけど、翔くんが描いた…とか?」
そんな筈ないよね(笑)