Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第17章 僕達のバースデーソング③
のんびりの〜んびり歩いていたせいか、正午には少し遅れてしまったけど、パパさんのお店に着いた僕は、ついさっきまでとはまるで違ってしまった様子に目を丸くした。
だって、さっき来た時は、シャッターはキッチリ閉められてたし、大体だよ?
お店の前に、青いバルーンで作られたアーチなんて…あったっけ?
しかもクマさんいっぱいだし♡
お、これってまさか…?
僕は青いクマさんのアーチをくぐって、パパさんのお店の扉を開けた。
カラン、とチャイムが鳴る。
すると、それを合図に、ピアノがお誕生日にありがちなあの曲を奏始めて…
青いスモックを着たちびっ子と、青い割烹着を着たおばちゃん達が、一斉に僕を取り囲み、お誕生日にありがちなあの歌を踊りながら歌い始めた。
その向こうでは、マドラーを指揮棒みたくフリフリする潤がいて、照明器具を器用に操るニノがいて…
ピアノを弾く翔くんがいる。
「えっ、えっ…、なになに? どうなってんの?」
ってゆーか、ちびっ子達も、おばちゃん達も、僕のバイト先だった体操教室の生徒さんじゃん!
僕は何がどうなってるのか分からず、キョロキョロオロオロするばかりで…
モーゼの十戒みたく、目の前に開けた花道?から、ワゴンに乗せられたケーキが運ばれた時漸く、それが僕のためのお誕生日会なんだ、ってことに気が付いた。