Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第16章 僕達のバースデーソング②
翔side
あの、スイーツ男子だと自分でも自負する智が、パパさんの店にも顔を出していないなんて…
正直、意外だった。
「一日一個、スイーツを食べないとイライラしちゃうんだもんん」
なんて豪語してた智が、だよ?(笑)
仕方ない、たまには土産でも買ってってやるかな♪
俺の小遣いの範囲内なら、智も文句は言わないだろうし。
…って思ったら、やっぱり案の定で(笑)
「うわぁ、どうしたの? ねぇ、僕食べちゃっていいの?」
超笑顔だし(笑)
「いいから、眺めてばっかいないで食えよ。お前のために、ってお袋が持たせてくれたんだから」
本当は、俺の小遣いで買ったモンだけどな?
でもそれだと、また「贅沢はダメ!」なんて言われかねないからさ…
お袋には申し訳ないが、利用させて貰うことにした。
「あ、ねぇ、そう言えばさ、もうすぐ僕の誕生日でしょ?」
「ああ…うん。確かそうだったな…」
「なんにもしてくれなくていいからね?」
ケーキを大事に大事に口に運ぶ智が、ニコニコ笑顔を崩すことなく言った。
「えっ、なん、なんで…? 楽しみにしてたんじゃないのかよ…」
「うーん…、そうなんだけどさ、贅沢でしょ? それにさ、もうお誕生日って年でもないじゃん?」
そうだけど…
そうかもしんないけどさ…、それって寂しくね?