Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第16章 僕達のバースデーソング②
雅紀side
午後の営業が始ってすぐ、店に一本の電話が入った。
かけてきたのは、確認するまでもなく翔くんだ。
サトくんが店に来ているかどうか、確認のための電話だ。
もしサトくんが店に来ていれば、勿論翔君が店に顔を出すことはない。
「で…、智は…?」
「うん、ああ、今日は来てないかな…」
と、言うよりは、ここ最近サトくんの顔見てない気が…
「じゃあ、今から行っても? あ、勿論パパさんの都合次第だけど…」
「俺ならもう予約も終わってるから、うん大丈夫。準備しとくよ」
翔くんとの電話を終え、俺は厨房の奥…、なるべく人目に突かない場所に、翔くん専用の作業台を用意した。
人目…と言うよりは、サトくんが突然来ても見つからないようにとの対策の一つでもあるんだけどね?
しかし…、おかしいな…
前なら、2日と開けずに顔を見せていたサトくんが、ここ数日顔すら見せないなんて…
ひょっとして体調でも…?
いやいや、だったら翔くんが平気な顔してるわけないよな(笑)
何せ、翔くんの頭の中は、いつだってサトくんのことでいっぱいなんだからさ(笑)
今も昔も、ずっとね?
でも気になる…
「で…、その節約生活は、現在進行形なわけ? すごいな、翔くんは(笑)」
「別に凄くなんかないよ。たださ、智があんまり必死だからさ。付き合って上げてるだけ、智の節約ミッションに」
ほらね?
翔くんはいつだってサトくんのことすさか考えてないんだからさ(笑)
お似合いだよ、ホントに(笑)