Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第16章 僕達のバースデーソング②
潤side
昼の営業を済ませ、和が練習に使っている倉庫に向かった俺は、シャッターを開けた瞬間、固まった。
いや、話には聞いてたけど…、まさかこれ程とは思ってなかったぜ(笑)
井戸端会議かのごとくお菓子を広げて喋りまくるおばちゃん(おばあちゃんも…)と、所狭しと駆けずり回るガキんちょ…もとい、チビッ子達…。
その中で、煎餅片手に途方にくれる和。
申し訳ないけど…笑える(笑)
暫くその姿を見てたい気もするけど、夕方からの営業を考えると、そこまでの余裕はない。
さっさと練習に取りかからないと…
「はい、みんな集まって」
救世主とばかりに俺を見つめる和の横に立ち、思い思いの時間を過ごす人達に声をかける…が、俺の声は全く届いていない。
俺に対して完無視とは…、なかなかやってくれるじゃねぇか(笑)
「じゅ、潤…? 落ち着いて?」
「落ち着いてるけど?」
「いや…、その顔…、どう見ても落ち着いてないし…」
「そうか? 俺は今、超絶ワクワクしてるけど?」
「そ、そうかな…、そうは見えないけど…」
隣で和が苦笑を浮かべるけど、そんなの関係ねぇ。
ヒリヒリさせてやるから、覚悟しな(笑)
俺は両手をパチンと打ち鳴らすと、
「集合!」
と声を張り上げた。