Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第15章 僕達のバースデーソング①
「おかえり〜♪ 遅かっ…た…、って、お酒臭〜い!」
翔くんの帰りを待ちくたびれていた僕は、翔くんの顔を見るなり飛びついた。
でも、僕を受け止めた翔くんからは、すんごーくお酒の匂いがプンプンしてて、おまけに、
「さとし〜、たらいま〜」
呂律も全然回ってない。
えっ、もうすぐお誕生日を迎える、幸せMAXの僕が人生最大のピンチを迎えようとしてる時に、翔くんは呑気にお酒を飲んでたの?
それってちょっと…ムカつくんですけどぉ…
しかも、今にもお腹と背中がくっつきそうにお腹がペコペコの僕を、ぺしゃんこになる勢いで抱きしめてきて…
「ちょ、ちょっと…、苦しいから…」
抗議しても全然緩めようとはしてくれない。
それどころか、
「さとし〜、アレ…言ってよ?」
「ア、アレって…なに…」
「ほら、“お風呂にしますか? ご飯? それとも、僕?”ってやつ?」
「は、はあ? ちょっと何言っちゃってんの? そんのの決まってんじゃん…」
ご飯! …って言いたいとこだけど、“僕”ってのも、ちょっと魅力的かも♡
なんて言ってる場合じゃない!
「も、もぉ! ふざけてないで、さっさとお風呂…ううん、その前にご飯にするよ?」
じゃないと僕、飢え死にしちゃうよ…
な〜んて、思ってたら…
バタン、とばかりに僕は廊下に押し倒された。