Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第15章 僕達のバースデーソング①
途中、行きつけのスーパーで晩ご飯の買い物を済ませて、お家に帰った頃には、すっかり空が茜色に染まっていて…
「おやつの時間過ぎちゃったし…、翔くんが帰って来てからにしよ…」
ホントはすぐにでも食べたかったけど、ご飯食べらんなくなっちゃうと困るから、ケーキは冷蔵庫に仕舞った。
だって、僕がちゃんとご飯食べないと、翔くんが心配するからさ…
経験かなり少なめの僕にはあんまり分かんないけど、ガリガリに痩せちゃうと、抱き心地が悪いんだってさ。
男の子の考えてることって、良く分かんないよね(笑)
「さてと…。翔くんが帰って来るまでにご飯作らなきゃ」
クマさん柄のエプロンをして、キッチンに立つ。
だって僕、これから“せんぎょーしゅふ“ってやつになるんだからさ♪
…と思ったのに、待てど暮らせど翔くんは帰って来なくて…
もしかして残業?
とも思ったけど、壁の時計を見るともうすぐで10時になろうとしていて…
流石にこんな時間まで残業なんて考えられない。
「どうしちゃったんだろ、翔くん…」
僕、もう眠たくなっちゃったよ…
僕は一つ大きな欠伸をすると、冷蔵庫の中に仕舞ったケーキの箱を取り出した。
「待ちきれないから食べちゃお…」
そう思って蓋を開けた時、玄関の方でガチャンとドアが開く音がした。