Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第1章 僕達のちょっとした悩み
ベッドの端に智を座らせて、濡れた髪をタオルで拭いてやる。
(その間、俺の“相棒”は休憩中だ)
ココアの存在を思い出したせいか、智の瞼はしっかりと開いている。
「あのな、どんな誤解してるか知らないけど、彼女大学時代の友人で、同僚だから…。たまたまさ、恋人がいるとかいないとかの話になって、俺、お前の写真見せたんだ」
女装したヤツだけど…
「そしたらさ、会わせろって煩さくてさ…」
「ふーん…で、何で潤のお店なの?」
おっ、智にしては鋭い突っ込み。
「それはさ、雑誌で見たんだってさ、最近話題の店とかなんとか…」
女って、何かと流行りモンには乗っかりたがる生き物だからな。
「で、友達の店だって言ったら、そりゃ”行きたいぃ~”ってなるだろ? それに、潤の店行ったらお前がいるかもってさ…」
まだ半信半疑なのか、疑い半分の視線を向ける智を抱き寄せ、膝の間に座らせて、背中から腕を回すと、すっぽりと胸におさめる。
「自慢…したかったんだよ、俺の恋人はこんな可愛い奴なんだ、ってさ…」
「でも僕男の子だよ? お友達に変な目で見られちゃうじゃん。そんなのダメだよ」
「…だろうな…、つかみんな知ってるし。俺の恋人が男だってこと」
確かに最初に見せた写真は”女装の智”だったけど、そのすぐ後に”普段の智”の写真見せたんだから。